東洋医学の考え方

東洋医学の考え方:陰と陽

 東洋医学では、人体は宇宙を小さくした「小宇宙」だと言われています。
私たち人間は、この宇宙の調和によって一人で生まれ、
今の時代にただ1回限りの人生を一人で生き、一人で死んでゆくのです。

 たった1回きりのこの人生で、何をして宇宙に戻るのか。
私たちは自分の意志を持って、あるいは無意識的に他人や環境と関係しあい、
この大宇宙の秩序に従って生きて、自然に戻るのです。

 大宇宙系が、ある法則によって絶えず変化して生産され、消滅するのと同じく、人間の世界や地球の世界も、絶えず宇宙の法則によって生産され、なくなるのです。
 この宇宙の中に存在するすべてのものは、時間が過ぎても私たちが知らないこの法則の中で回っています。

 このことは、私たちの体にも例外なく当てはまります。
 宇宙に「陰陽」のバランスがあるのと同じように、体にも「陰陽」のバランスがあり、体は健康に保たれているのです。この健康が少しずつなくなり、いずれ私たちも自然に戻ります。

陰  陽
凹  凸
女  男
月  太陽
影  日なた
暗い 明るい
夜  朝
病気 健康
川  山
休む 働く
冬  夏

<体の陰陽>
体の陰   体の陽
裏の部分  表の部分
静か    活発
五臓    六腑
女     男
消極    積極
上の部分  下の部分
性格が暗い 性格が明るい
守る    戦う 

<自然体の陰陽>
自然体の陰  自然体の陽
   凹    凸
   月    太陽
   夜    朝
   川    山
   冬    夏
   暗い   明るい
   影    日なた
   水    空気
   静    動

女があるから男があり、
凹があるから凸があり、
朝があるから夜がある。
陰と陽のバランスが崩れないように、あまり偏りないようにしながら、
この法則にのっとって一生を送るのです。

人間の一生は、昼と夜、季節の移り変わりなどと同じように、
陰と陽が互いにバランスをとりながら変化し続けていきます。

経絡論

陰陽のバランスを体に合わせて論理化したものが「経絡論」です。

こういう経絡論の研究から
・推掌(すいな)療法
・経絡(けいらく)マッサージ
・鍼
・灸
などが生まれ、発展を続けてきました。
「均整術」も、ある分野は経絡論から生まれた理論です。

私たちの体にも陰陽があり、
1年12ヶ月という自然摂理の流れによってつくられている「十二経絡」と、
内臓がお互いに影響し合い、バランスをとっています。